サービス業に勤務しています。社内のIoTプロジェクトで、オリジナルのスマートデバイスを開発・製造する計画があります。これまで、製品を販売した経験が無い会社なので、販売する上でどういった責任が生じるか分かりません。まずは、どのような法律を確認しておくべきでしょうか?


ハードウェア・デバイスに関わるものでは、PL法(製造物責任法)・家庭用用品品質表示法・PSE(電気用品安全法)・電波法・知的財産権(特許・著作権法など)があります。また、収集データを基にしたサービス事業という事であれば、個人情報保護法があります。セキュリティに関しては、総務省・経産省が公表しているIoTセキュリティガイドラインを確認したうえで、不正アクセス防止法などを確認しておきましょう。

以下に、ハードウェアデバイスに関しての法律の概要をご紹介します。



製造物責任法(PL法)

製造物責任(PL)法は、製品の欠陥によって人の生命、身体又は財産に被害を被ったことを証明した場合に、被害者は製造業者等に対して損害賠償を求めることができるとする法律です。(消費者庁HPより)従って、上記のような人の命や、身体・財産に影響を及ぼすような欠陥(故障)でなければ、製造物責任法でいう欠陥にはなりません。そいう言う意味では、IoTデバイスで、そこまで人の命に影響を及ぼすものはそこまで多くはありませんが、ここは押さえておきましょう。
この法律で言う製造物とは、製造・または加工されたものなので、ソフトウェア・アプリなどはもちろん含まれません。注意しなければなら無いのが、欠陥が発生して責任を問われる「製造業者」の範囲です。ここで言う製造業者には、以下が含まれます。
1、製造物を業として製造、加工または輸入した者
2、自ら製造物に製造業者としての氏名等を表示した者 =>海外から輸入した製品に欠陥が発生した場合に、「輸入元」が責任を問われる。
3、製造物にその製造業者と誤認させるような氏名等の表示をした者 =>海外のOEM工場に製造を依頼したとしても、その製品に自社名の自社ブランドなどを表示している場合は、その会社に責任が問われます。
4、製造物の製造等に係る形態等の事情からみて、当該製造物に実質的な製造業者と認めることができる氏名等を表示した者
(製造物責任法2条より抜粋)

家庭用用品品質表示法

消費者が日常使用する家庭用品を対象に、商品の品質について事業者が表示すべき事項や表示方法を定めており、これにより消費者が商品の購入をする際に適切な情報提供を受けることができるように制定された法律です。使用上の注意、消費電力、外形寸法、定格容量などを表記する必要が有ります。例えば、電気ヒーター 炊飯器 電気ポット コーヒーメーカー 電気スタンドのような対象商品について、それらに無線機能か何かをつけてスマート○○のようなモノを開発、製造、販売する場合は、この法律に注意が必要です。

PSE(電気用品安全法)

電気製品を販売する場合に、最も気をつけなければならないのの一つはPSEです。電気用品安全法施行令で定められてる、特に危険又は障害の発生する恐れのある電気用品である「特定電気用品」と「それ以外の電気用品」を販売する場合には「PSEマーク」を表示しなけれななりません。貴社で製造・輸入・販売しようとしているIoTデバイスが、電気用品安全法の電気用品に該当するかどうかは、必ずチェックしましょう。
特定電気用品該当一覧
特定以外の電気用品該当一覧

上記のリストの何れかに該当すれば、「PSEマーク」を表示する義務が発生します。
特定電気用品に該当する場合は、法令に基づいた基準を満たしているかどうか、登録検査機関による検査が必要に鳴ります。特定以外の電気用品であれば、自主検査で良いとされています。PSEの手続きの流れに関しては、こちらのページが非常に参考になりますので、一度チェックしてみて下さい。

電波法

IoTデバイスは、基本的には、WiFiやBluetooth,3Gのような無線モジュールを搭載して電波を発する製品であることがほとんどです。日本国内で、電波を発生する機器を使用する場合、その機器には、「技適マーク」が表示されていなければなりません。「技適」には「技術基準適合証明」や「工事設計認証」があります。「技術基準適合証明」製品一つ一つの認証が必要なので、プロトタイプ・試作品であれば、利用が可能です。但し、量産の段階では、全数の検査・認証というのは現実的ではないので、事前に認証を受けた製品設計書・工場設計図など通りの製造方法作られた製品であればOKという、「工事設計認証」の利用が適しています。関連ページはこちら

尚、製品の中で、電波を飛ばす機能を有する部品は、無線モジュールになります。最近では、この無線モジュール自体に「技適マーク」がついているモノが多くなっています。その技適マーク付き無線モジュールを搭載したIoTデバイスであれば、新たに技適マークを取得する必要はなく、モジュールに表示されている技適マークを製品本体に転記して問題ないとされています。(写真は、技適マーク付きのWiFiモジュール)技適 取得済み無線モジュール 電波法 



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