ハードウェア・IoTデバイスの開発を外部に委託(外注)する際に起こる課題とは?
IoT・AI・AR・VR・MRなど、実際の現場と、インターネット・仮想空間が繋がっていくのが、世の中の流れになっています。これまで、モノ・ハードウェア開発の経験がないIT企業でも、新規事業を支えるアイテムとして、スマートデバイス・IoTデバイス開発を画策されているケースが増える一方です。
また、既存事業の効率化のためにセンサーデバイスやハードウェアを利用したDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しようとする企業も多いでしょう。ここでは、そのような企業が、ハードウェア受託開発企業に開発委託をする際に起こる課題について考えてみます。
課題1「ハードウェア・デバイス開発経験が無いので、どうやって仕様を考えてよいか分からない」
「ハードウェアの仕様の作り方が分からない」というお客様は、どういった機能をもつデバイス・ハードウェア・IoT機器を開発すれば新規事業や現場のDXに使えるものなるか? 自らが考えるハードウェアの利用シーン・機能を整理出来ていない傾向があります。
整理できていない原因を探ると、ほとんどの場合、「想定の利用シーンが多岐に渡っており、それら全てのシーンをカバーするようなハードウェアを作るにはどうすればよいか?ハードウェアの開発に関しての知見がない為、どうしたらよいか分からない」というお悩みに突き当たります。
課題2「どのような会社に製品開発の相談をして、見積を取ればよいのか分からない」
ハードウェアの開発会社と一言で言っても、例えば、以下のような会社が数多く存在しています。
- 電子基板開発製造が得意な会社
- 電子回路設計を得意な会社
- センサー付きの通信モジュールの開発が得意な会社
- 「試作一品もの」の設計・開発を得意とする会社
- 予め決められた仕様の製品を低コスト・高品質で製造する事が得意な会社
- センサーに使われるマイコンへの組込みソフト設計を得意な会社
- 機械機構設計を専門とする会社
- 材料・筐体部品の加工を得意とする会社
上にあげただけでも多種多様です。ホームページを見ただけでは、本当にその会社が自分たちの目的の開発を達成してくれる会社なのか、中々分からないでしょう。
さらに、ハードウェア開発未経験者にとって厄介なのが、外注に依頼した場合に、開発費用がどれくらいかかるのか想像できないという恐怖です。ある程度精緻な見積もりをする場合は、ハードウェアを開発委託する発注側が、開発仕様要件について、細かく定義する必要がありますが、実際には、そう言った事はハードウェアエンジニアでない限り、ほぼ不可能です。
そこで、受託開発をする側のエンジニア(つまり外部の人間)と、打ち合わせをしながら要件を決めて、見積もりを依頼するという進め方になるのですが、開発委託する側も、開発受託を受ける側も、そのコミュニケーションに慣れていない場合、お互いに意図した内容の仕様と見積作れず、後々のトラブルになるケースも出てきます。
課題3「ハードウェア開発のプロジェクトマネジメントが出来ない」
慣れないハードウェア開発を複数業者に見積依頼をして、それについて精査し、納期を調整し、さらに開発のプロジェクト管理をし、自社のソフトウェア部門と調整しながらIoTシステムを開発していくといったケースはよくあります。その際、のプロジェクトマネジメントのコストが膨大です。
ちなみに、ハードウェア開発をして、量産まで進める場合の大まかな開発実施項目は以下の通りです。
仕様要件の確認 | 要求仕様を元に、設計課題の抽出、設計としての仕様作成 |
構想設計 | 設計思想の構築、全体システムの構想 |
基本設計 | 設計思想に基づき、商品全体のシステムやデザインを設計します |
部分設計 | システム設計に沿って、筐体・機構・実装設計、回路、基板設計、ソフトウェアなどを設計し、必要に応じて機能モデルを製作し、確認します。 |
機能モデルの製作 | 必要に応じて部分機能モデルを製作して確認します。 |
詳細設計 | 設計結果のアウトプット 技術計算・検証・部品図・回路図・ソースコードなど、商品を構成する個々の要素を設計し、図面化 |
設計仕様検証 | 設計し良い鵜所に照らし合わせて設計結果の検証を行います。 |
一次試作 | 技術試作モデルの製作 |
設計検証 | 技術モデルによる設計評価確認 |
設計修正・設計変更 | 修正設計・図面修正 |
商品化試作 | 最終商品化モデルの製作 |
機能・性能・品質評価試験 | 商品化モデルによる・品質評価項目の評価を行う |
設計修正・試作品修正 | 商品化修正設計・図面修正 |
機能・性能確認 | 残りの品質評価項目の評価を行う |
金型設計 | 製品形状の最適化(肉厚・テーパーなど)取り数、金型サイズなどを決定し、金型を設計 |
金型製作 | 金型設計図面に基づき、金型を製作 |
金型部品検査(形状・寸法) | 金型により製作した部品の仕上がりを検査します(形状・寸法・外観・) |
金型・修正変更 | 検査結果に基づき、金型の修正・変更、成形条件の見直しを行う |
量産試作部品手配、組立、生産ライン設計 | 金型品による量産試作を行う為、一定量の部品を生産又は購買して組み立てる、設計者立ち合いの元、組立作業手順や生産ラインでの検査項目などの設計を行う |
量産試作品評価試験 | 量産試作品による品質評価項目の試験を行います |
図面修正・金型修正 | 試験結果に基づき、不具合点の修正・図面修正を行う |
量産・量産品評価 | 最終量産品による組み立てと確認試験項目の評価 |
ハードウェア開発は、技術分野横断的な総合知識がないと最適解を得られない
ハードウェア開発は総合格闘技です。材料・電子部品・電子回路・機械・機構・筐体デザイン・組み込みソフトウェアそして各フェーズでの機能試作・量産化への試作・量産化に向けた試験・量産ライン構築・量産・パッケージング・納品etc..1社単独では出来ません。外部CTOでは、専任にハードウェアプロジェクトマネージャーが、ハードウェアベテランエンジニアと連携しながら、お客様の事業開発成功の為に、仕様の策定・開発工程の策定と必要なハードウェアエンジニアの配置、様々な開発会社との連携、ハードウェアに関する見積の一括算出を行います。
1、貴社の定性的な要件を、事業開発の目的からヒアリングし、ワンストップで定量的で実行可能な技術仕様に最適化し、見積もりを算出します。
2、要素技術を網羅した国内外50社以上の開発会社・ものづくり工場が連携して、製品開発をワンストップで進めます。
3、ハードウェア開発の外注管理・技術コミュニケーションを、専任のハードウェア開発プロジェクトマネージャーがワンストップで管理します。