センサーデバイス開発は、検出素子・電子回路・ファームウェアの擦り合わせの結晶

 これまで外部CTO.comでは、お客様の課題に対応すべく、産業機器・民生機器向けに、静電容量式タッチセンサー・静電容量式近接センサー・静電容量式液位センサー・構造物揺れを検知する歪センサー、光ファイバーを利用した水位センサー・加速度センサー・傾斜センサー・温度センサーなどのオリジナルセンサーをシステムとして開発し、実証実験から量産まで対応してきました。
 そのセンサーデバイス開発ノウハウを元に、DX推進のために、お客様の可視化したい現場データを状況に応じ、世の中にある様々な既存のセンサーを組み合わせて、最適なセンサーデバイス(センサーが搭載された電子機器)の仕様の提案・開発・量産する事が可能です。

特徴1:センサー検出素子・センサーモジュール・センサーデバイス・センサー機器の開発が可能

一言でセンサーの開発と言っても、開発するアウトプット(成果物)には、様々な形態があります。こちらは、センサーで検出したデータ(正確には電気信号)の処理のフローです。

センサー素子で検出された電気信号(IoTデータ)が、どのようなプロセスで所望の出力信号になるかを解説

 簡単に言うと、センサーの周囲で、物理的変化(温度・湿度の変化)や化学変化(物質濃度の変化・PHの変化など)が起こると、その変化によって、センサー検出素子の電気特性(抵抗値・電圧・電流)が変化します。
 センサーの検出素子からの電気信号は、アナログ電子回路で処理し、WiFiやBLEなどの近距離無線通信・3G・LTEなどのセルラー通信や、RS232Cなどのシリアル有線通信を使って、データが外部機器に送信されます。

 これらの一連の処理のどこまでの機能を有するかによって、センサー開発の難易度は全く変わってきます。

名称 機能 構成 開発難易度 開発プレーヤー

センサー
(検出素子)

物理変化・化学変化を電気信号に変換 センサー検出素子 電子材料の知見や化学などの知見・ノウハウが必要になるので難易度は超高い 大手センサーメーカー・電子材料メーカー
センサー
モジュール
センサー検出素子からのアナログ電気信号をマイコン(MCU・MPU)が読み取れるデジタル信号に変換 センサー検出素子+アナログ電子回路 アナログフロントエンド回路設計の経験が必要なため、長年の設計ノウハウ、経験が必要。難易度は高い センサーメーカー・電子回路開発会社
センサー
デバイス
センサーモジュールからのデジタル信号を演算処理・フィルタリング処理し、出力先に応じてアナログ・シリアル・PWM出力 センサーモジュール+マイコン(MCU・MPU)※IoT分野では、ここに無線通信機能が搭載される ファームウェア(組込みソフトウェア)の開発経験が必要になる為、エンジニアの経験が必要になる 電子回路開発会社・センサーデバイスメーカー・ODMメーカー
センサー
機器
センサーデバイスに、各種ボタン・電源スイッチ・モニター・電池ボックスを追加し・筐体でパッケージする センサーデバイス+各種インターフェース+筐体(工業デザイン) 組み合わせの技術になる為、プロトタイプ制作などの開発時の難易度は比較的低い。但し、量産設計、製品保証などのノウハウが必要になる 電子機器メーカー・OEM工場

 こうしてみると、センサー開発と言っても、その目的によって、難易度も、開発要素も、開発出来るプレーヤーも変わってくることが分かります。

 外部CTOでは、静電容量センサーや歪センサー、その他、各種センサーの検出素子からの開発・アナログ回路設計及びICの設計実績、各種マイコンの開発環境を活用したセンサーデバイス開発、少量でのセンサー機器開発など、センサーに関わる開発実績が多数です。

・自社の電子材料や電子材料加工メーカーの新規事業開発として、センサー検出素子の開発をしたい
・ArduinoやRaspberryPiでプロトタイプ完了。そのセンサーモジュールを使って省電力のIoTセンサーデバイス量産したい
・自社のIoTプラットフォームサービスを魅力的に見せるデモ機・展示会出品作品を作りたい

など、センサーに関わるお悩みがあれば、お気軽にご相談下さい。何かしらの解をお出しする事が可能です。

 
外部センサーのデータ送信用の3G基板モジュール

特徴2:少ロット・小規模の量産が可能

 センサー機器・センサーデバイスの量産の御見積のご相談・ご依頼に来られるにIoT事業開発担当者さんたちは、殆どが、最初は、テスト販売の意味合いで、1ロット100台程度からといった、小ロットでの量産を希望されます。

 外部CTOとしては、こういった小さいロットで小さく始め、その後、大きく事業を育ていと考えている方々の為に、10台~1000台/LoTの小ロット・小規模量産に対応しています。(日本国内または、台湾・深センの協力工場)

特徴3:センサーインテグレーションが可能

 IoTサービス開発を検討されている方は、「こういった状況で、こんなデータを取得してサービスに役立てたい」と検討されていると思います。
一方で、その課題を解決するためのセンサー機器の細かい仕様を検討するノウハウが無いというお悩みを持つ方も多いでしょう。
外部CTOでは、そういったお悩みを解決できるセンサーインテグレーターです。

 従来、センサーは家電製品や産業・工場等が所有する設備・機械の機能や性能を補完する役割を担っていました。
そのため、完成品メーカーから見ると単なる電子部品としての下請け的な役割でしかなく、家電製品や工場設備あってのセンサーという認識を持たれていました。
しかし、IoT時代が到来し、世の中の様々な現象をセンサーを活用してデータ化し、そのデータを活用する事の重要性増してくると、欲しいデータの取得方法が課題になります。
汎用的なセンサーで取れる情報であれば、現在は、かなり安価に、しかも手軽にデータ取得が出来ます。一方で、本当に事業に必要なデータを可視化しようとなると、既存の汎用センサーだけでは限界が生じてきます。

その限界に関しての解は2つです。

・これまでにないセンサーを開発するか、世界中の最先端の研究者・開発企業と連携する

・様々な汎用センサーを組み合わせ、事業の目的にあった最適なデータが取れるセンサー機器を開発する

外部CTOでは、●●センサーを開発してほしい!というご相談に対して、まずは、欲しい情報・データは何か?をお伺いしたうえで、最適なセンサー・センサーモジュールを組み合わせた仕様をご提案する事が可能です。

センサーシステムインテグレーションをしてきたセンサーの種類(一部抜粋)

①光センサー
光センサは、光を検出して電気信号に変換するセンサーです。我々が一般的に言う光は、人の目で見る可視光線です。これに対し、人の目に見えない光=不可視光線もあり、紫外線や赤外線があります。詳細=>

②3軸加速度センサ
加速度センサとは、取り付けた対象物の状態(傾き・衝撃・振動etc..)を検出することができるセンサです。代表的なモノに3軸加速度センサはXYZ平面の3軸を検出することができ、それぞれの軸に対して内部構造で加速度を検出することができる仕組みとなっています。詳細=>

③静電容量センサー(近接センサー・タッチセンサー・液位センサー)
センサーに設置されたセンサー電極と、誘電体(人・金属・水など)との間の静電容量の変化を検出するセンサーです。
皆さんの生活で一番身近な静電容量センサーは、スマートフォン等に搭載されている、静電容量式タッチパネルでしょう。この場合、タッチパネルがセンサー電極で、誘電体は人間です。
静電容量センサーは、それ以外にも、誘電体(人や金属)が近づくと反応する非接触近接センサー、容器の中の液体の位置・液位を検知するレベルセンサーなど、様々な用途があります。

④ジャイロセンサ(角速度)
回転角速度の測定を実現する慣性センサーの一種です。角速度とは、ある物体の角度が時間当たりの変化量=物体が回転している速度を表します。
ジャイロセンサーは加速度センサーでは反応しない回転の動きを測定します。例えばスマートフォン、デジタルカメラ(手ブレ補正用のブレ検知)、カーナビ(車が曲がったことを検出)などで利用されています。

⑤地磁気センサ(デジタルコンパス)
地磁気を検知することにより、地球の磁力線が南から北の方に向いていることを利用して、北の方向を検知することができます。
ロボットなどでは、この磁気センサを利用して、ロボットがどの方角を向いているのか、方位を検知するのに利用されます。地磁気センサーには、2軸型と、3軸型があり、北方向を検出する場合なら、前後・左右の地磁気を検出し、地磁気が水平方向にどちらを向いているかを調べるだけなので、2軸型で十分です。
一方、3軸型は、2軸の前後左右に加え、上下方向の地磁気を検出可能です。上下の傾きデータが分かれば、あとはそのデータを計算する事で正しく方位を検出することができます。

⑥超音波センサー
超音波音波を、照射して、対象物から跳ね返って戻って来るまでの時間を測定する事により、対象物までの距離を測る事が可能です。
用途としては、モノとセンサーの距離測定を元に、人感センサーや、容器の中の材料とセンサーとの距離を自動で計測して、モノの残量を計測する用途、障害物検知等があります。
また、液体内でも減衰が少ないので、魚群探知機・海底地形調査に使われたりします。その他にも、医療診断機・厚さ測定・キズの検知・金属疲労測定などにも使われます。

⑦感圧センサー 
様々な方式の感圧センサーがありますが、多くは、感圧部に加えられた荷重の大きさに応じて変化する、電気抵抗値や静電容量値で測定します。玄関マットに設置し、来客を知らせる仕組みに利用したり、タッチパネルに組み込んで、押圧に応じて、色々な操作を可能にするなどの用途が考えられます。

⑦電流センサ
電線・ケーブルを流れる電流を検出するセンサー。IoTでは例えば、工場の機器のケーブルにクランプ式の電流センサーを設置し、機器の稼働率をモニタリングしたりする事が可能です。電流値だけでは正確な電力は計算できませんが、家庭の分電盤に設置すれば、自宅の電気の利用パターン等は計測する事が可能です。

 その他、音量センサ 毒ガスセンサ 大気圧センサ 照度センサ GPS 二酸化炭素センサー PM2.5センサー ドップラーセンサ(動体検出)、筋電センサー、電界センサー、ビーコン 歪みセンサーなど、様々なセンサー機器の開発実績があります。

 センサーは基本的には、アナログ電気信号を出力します。外部CTOでは、アナログ信号を処理する、アナログ回路・基板・ファームウェアの設計・開発に長けた熟練エンジニアが多くいる為、自社開発のセンサーじゃなくても、各社の様々なセンサーを組み合わせた機器を開発する事が可能なのです。